タイマンの快感

抜くか、奪うか。
行くか、潰すか。
打つか、止めるか。

やるか、やられるか。
勝つか、負けるか。

そこには、タイマン勝負のワクワクする瞬間がゴロゴロしていた。

南米選手権コパアメリカ2015は、
開催国チリが決勝でアルゼンチンを下し
悲願の初優勝をもぎ取り幕を閉じた。

その決勝、スコアは延長戦まで戦って0-0、
PK戦の末、チリの優勝となった。

サッカーの醍醐味であるゴールは見られず、
ゴールチャンスらしいチャンスもお互いに数回あっただけであったが、
どこかの国の代表戦でよくあるような、
格下相手に攻め手を欠いてイライラするつまらないスコアレスではなかった。

実際、120分+アディショナルタイム+PK戦と長時間の観戦だったのにも関わらず、
時間はあっという間に過ぎ、夜中でも眠くなることも無く
興奮、期待感に目が離せなかったのだ。

そう、そこには1対1の勝負 – 「タイマン」による熱が至るところから沸き立ち
熱い地元開催国の応援とも相まって、試合全体を熱く熱くグラグラと煮えたぎらせていたのだ。

これぞ南米！
僕の胸を熱くするのは、いつもタイマンだ。

戦術？組織？そんなもの語るのはその後だ。
目の前のやつに負けない、フィジカル、スピード、テクニック、インテリジェンスを身にまとえ。
それでもダメなら、何とかしろ。やらせるな。

そんな闘いに久しぶりに興奮した大会だった。

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